■モーター入門講座■
モーターは電動RCカーの重要なパワーユニットです。
現在では星の数ほどその種類は膨大で
選択に悩むほど存在します。
ユーザーのニーズに合わせて、
いろんな出力特性のモーターがありますが
ここではモーターについて大まかな種類の説明と
それぞれの特徴、調整やメンテナンスのポイントをご紹介します。

■モーターの種類■

RS540SH

キットに標準装備されているスタンダードなモーターです。
その穏やかなパワーはビギナー入門向けの決定版。
まずはこのモーターで腕を磨いて
ステップアップしていくといいでしょう。
電流もそれほど多くは必要としないので
安価なESCでも十分作動します。
モーターは完全密閉されているので
分解整備はできませんが
逆にいうとそれほど整備に気を使わなくて済むわけです。
ギヤレシオはツーリングカーの場合
高速コースで5.0対1くらい、
テクニカルで5.5対1くらいです。
ただあまり無理なギヤレシオにすると
モーターが焼きつきを起こすことがあります。
ピニオンは小さめに使うのが540を長持ちさせるコツです。
RS540SHは本家本元のマブチ製(上)、
少しパワーを高めたジョンソン製(左下)、
マブチ540をベースにローターや進角をライトチューンした
スポーツチューン(右下)などがあります。



ストックモーター
現在もっとも開発競争が進んでいるのがストックモーターです。
モーターの基本的な出力を決定するターン数は
23ターンが主流で、競技団体であるJMRCAの規定が
これを基準にしているからです。
特徴はメタル軸受けで、ブラシ交換が可能という点。
高い技術が投入されながら手ごろな価格と扱いやすさで、
RCフリークの多くはこのクラスのモーターを使用しています。
ギヤレシオはベストな状態にすることがポイント。
モーターの種類や走行するコースレイアウトによりますが
だいたい5.6前後で使用することが多いようです。
ギヤレシオは高速すぎると焼きつき、
低速過ぎるとブラシ磨耗を早めてしまいます。



モディファイドモーター

モディファイドモーターは軸受けにボールベアリングを装備、
エンドベルを外すことで分解整備可能で
自分でいろんなメンテナンスができます。
高級なものはコイルを手作業で仕上げる(手巻きローター)
などがあり、バランスや精度の高さが特徴です。
バッテリーの進化でモーターのスペックは過激になり
8〜10ターンとなるとその回転音だけでも
凄まじい音がします。
強力な電流が流れますので
ESCは上級機種のものを使う必要があります。
またバッテリーもそれにあわせて大容量タイプを使用し
コネクターも通常の7.2Vコネクターでは溶けてしまいます。
ギヤレシオはモーターによってもまったく違いますので
まずは取扱説明書に記載されているギヤから
セッティングしていくと良いでしょう。
価格帯は安いもので3000円を切るものから、
高級なものでは1万円を超えるモーターもあります。
そのパワーはエンジンと比較しても遜色ないほどで
高度な操縦テクニックが要求されます。
ドライビングテクニックが上達したら
一度はそのパワーを味わってみたいものです。



■メンテナンスのポイント■

これがブラシと呼ばれるものです。
バッテリーからの電気をモーターに伝える働きをします。
ブラシにはいろんな材質が別売りで用意され
エキスパートドライバーはいろんなものを取り替えて
パワーを上げたり、燃費をコントロールしています。
ブラシは磨耗したり、焼きついたりします。
左は新品で右は使いふるしたものです。
色がかなり変色しているのが理解できるでしょう。
ここまで色が変わってしまうと交換時期です。
焼けたブラシを長い間使っていると今度はモーターの
中枢部であるコミュテーターにダメージを与えてしまいます。
早めの交換がモーターを長持ちさせるコツです。
これがモーターの中に入っているローターという部品です。
ブラシからの電気はコミュテーターに伝えられます。
このブラシとの接触部分はスパークしていくので
カーボンというカスが付着し、パワーダウンの原因となるので
定期的にクリーニングします。
モディファイドモーターなら
コミュテーター研磨機で表面を磨くことが可能です。
こうすることで元の性能を取り戻すことができるのです。
ストックモーターは分解整備できないので
モーターを低速回転で回しながら
エンドベルの隙間からコミュに向けて
クリーナースプレーを吹きつけます。
こうするとカーボンが流れだしコミュ表面が綺麗になり
パワーをある程度復活することが出来ます。
2〜3分から回しするのが効果的です。
またコミュポリッシュなども便利。
これは砂消しゴムを柔らかくしたようなもので
ブラシの穴からポリッシュを差こみ、
手でモーターを5〜6回転させます。
コミュ研磨機の簡易版といえるでしょう。
また同様な目的のクリーニングブラシもあり、
モーターにセットしスロットルをオンにするだけで
簡単に、なおかつ綺麗に仕上げることが出来ます。
メタル軸受けを使っている540やストックモーターは
かならず走行前に1滴のオイル注油を忘れずに。
オイル切れを起こすとメタルが焼きつき、
一度焼きついたらオイルをさしても元通りになりません。
オイルはメタル専用がお勧めです。





■モーターコネクターについて■

標準的なモーターや多くのESCに採用されているのが
ギボシコネクターです。
初めて走行するにはこれで十分です。
ただしあまりパワーの大きなモーターで使用すると
チューブの部分がだんだん黒ずんできます。
溶けるという話は聞いたことがありませんが、
パワーのおだやかなストックモーター使用に
留めておいたほうが賢明です。
2ピンコネクターや4ピンコネクターは
接点部分がしっかりしていて焼きつきがなく
電気抵抗が少ないのが特徴です。
しかもギボシより着脱が容易で、
手軽にメンテナンスできるのがメリットです。
究極はやはりハンダ直付けでしょう。
メンテナンスではその都度ハンダ作業が必要ですが
レースに出場しているエキスパートは
少しでも電気抵抗を抑え、パワーを搾り出すための
必須チューンとなっています。
またシャシーがすっきりまとまり、
サスペンションなど稼動部分に干渉しにくい
メリットも見逃せません。





■ローターについて■

ローターは先ほども説明しましたが、
コイル線の太さ、巻き数でパワーが違います。
よく「ターン数」とおいうコトバがたびたび出てきますが、
これは何回ローターにコイルを巻いたか、その回数を表しています。
巻き数が少ないほどハイパワーで、多いとパワーは小さくなります。
ハイパワーなモーターはその分、消費する電流も多くなり、走行時間はダウンします。
一般的にモディファイドでは8〜13ターンくらい、
ストックでは23ターン、540では27ターンくらいになっています。
この他にもいろんな種類の巻き数がありますが
数が大きくなるほど穏やかな出力特性になると思っていいでしょう。

またおなじ巻き数でもトリプル巻きとかダブル巻きなどもあります。
これは一度に複数のコイル線を同時に巻いたもので
シングルはパンチがあり、ダブルやトリプルになるにつれマイルドになっていきます。
トルクの必要なバギーではシングル巻き、
効率重視の12分の1レーシングではトリプル巻きなどが使われています。
ツーリングカーではダブル巻きが多いようですね。
ただしこれらはモディファイドモーターでないとほとんど選択肢がありませんが。

またコミュテーターのサイズもビッグコミュ、スモールコミュと2種類あり、
大きさによって特性が違います。
ビッグコミュはトルクが大きくパンチがあり、スモールコミュは転がり抵抗の少なさが特徴です。

作成2002.1.28

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