■M03新たなセッティング法■

今回のテーマはタックインを使わずに
スムーズコーナリングでラップタイムを短縮


FFのキビキビとしたハンドリングを生かして、タックインを使ったコーナリングが
M03を走行させるうえで必要不可欠なテクニックかと思っていました。
しかし、最近のテスト結果では、ツーリングカーのようなスムーズなコーナリングのほうが
ラップタイムでは速いようです。
旧モデルM01ではタイヤ性能もさほど高くなく、コーナーでテールを流してターンするほうが、
サーキット走行においてアドバンテージがあったのですが、
M03からはファイバーモールドタイヤの登場でグリップもグンと向上。
シャシーの基本設計もマイルドな設定が施されているため、あまり急激な動きには不向きなようです。
そんななか、少しでも機敏なステアリング特性に仕上げようと、サスペンションを極端にソフトにし、
リヤスタビライザーでムリヤリテールを流すと言うセットを今まで行ってきました。
2002新潟大会出場を機に、M03数台で走行練習していると、タックインを使ったコーナリングよりも
スムーズにコーナーを抜けていったほうが明かに速いラップタイム、
そして安定した走りができるようになりました。
そこで一からサスペンションセッティングを見なおし、ジオメトリーなどを大幅変更。
2002バージョンはステアリング切りはじめのコーナリング剛性感が高まり、
安定してスムーズなコーナリングが可能になりました。
もちろんタイトコーナーではアンダーを出すことなく、しっかりと曲がる特性に仕上げています。
海王丸ではすべてのコーナーを全開でクリアできるようにセッティングしました。
コーナーでの進入、脱出速度においてはツーリングカーに負けない走りも不可能ではありません。
それでは新しいコンセプトで仕上げたM03/2002仕様ミニをご紹介しましょう。



フロントサスペンションは新しいTRFダンパーを使用しました。
長いオンロードハードスプリングを使用するため、テンション調整リングを外しています。
インナーカラーはSP593フランジパイプに、SP5863mmワッシャー3枚を入れています。
少しスプリングが遊ぶようにセット(!)しているのです。
これは結果、リバウンドストロークが増えるのですが、
コーナーリング時にインリフトを可能な限り抑え、
立ちあがりのトラクションを稼ぐのが目的です。
M03はリバウンドストロークが少ないと、
コーナーリング時の左右タイヤの荷重差が大きくなります。
この差が大きいと、パワーオンでイン側タイヤがトラクション抜けを引き起こしやすいのです。
なるべく左右に均一に近い荷重がかかるよう、ストロークを大きくとります。
トランスポンダーをモーターのカウンターウエイトそして流用。
このことで左右重量バランスが適正になり、
バッテリーをセンターにマウントできるようになりました。



リヤサスは今までとガラリとセッティングの方向性を変えました。
まずリヤスタビライザーが無いことにご注目!
スタビライザーは安定感を高めるセッティングパーツとして今まで使用してきましたが、
どうしてもリンク配置などが複雑になってしまうため、
スムーズなサスペンション作動をスポイルしてしまいます。
そこでダンパーストロークを従来よりも1ミリほど詰めて、スプリングをもう少しハードに。
リバウンドストロークをほとんど0に設定して、かなり固めました。
するとロールや安定感を抑えつつ、路面追従性がグンと向上。
バンピーな海王丸でも安定したリヤグリップを確保することに成功しました。
このことでコーナーではリヤ片輪が浮いての3輪走行となりますが、
結果フロント2輪は理論的に絶対地面に接地していることになります。
したがってパワーオンでもFFのネックであるホイルスピンが大幅に抑えられ、
コーナー脱出速度を高めることができました。



お約束のメカ配置、リヤバルクヘッド内に受信機とESCを搭載しています。
荒れるレースを想定してキーエンスA07RZバック付きをチョイスしました。
このESCは本当にトップモデル並みのハイパワーを発揮してくれ、
ワタクシも絶大な信頼をしています。
後ろが絞り込まれたバルクヘッド形状に合わせるため、受信機もテーパー加工しています。



バッテリーはグラステープ止めして軽量化。なんともたよりない作りですが、
意外に取りつけ強度はノーマル以上です。
RC2400SP搭載で車体重量は1215g。かなり規定に近づいています。



モーターはジョンソン540モーター。ピニオンはF201用のハードコートピニオンを使用します。
新品よりも少し使ったほうがストレートの伸びが良いようです。
ワタクシはMMSで低電圧(1.5Vくらい)でファンを当てながら20時間以上慣らしました。
ただそのまま走らせたほうがてっとり早くていいですね。
ピニオンは16Tで、2〜3パックくらいの走行でOKです。
走行ごとに軸受けの注油、コミュのクリーニングを忘れずに。



ここからは裏技集にいってみましょう。
これらの改造はかならず行う必要はありません。
本来M03はスイッチオンで簡単に走行できるお手軽な車です。
手間をかけたい方は参考に、
手軽に楽しみたい方は話しのネタ程度に考えてください。
また改造の内容はタミヤGP規定に合致していないものもあります。
もしレースに参加される場合は事前に確認しておきましょう。

まずはステアリング周りから。
サーボセイバーのガタを減らすコツですが、
意外に見落としがちなのがCリングのパーティングラインです。
このセレーション&サーボホーンの当たり面のラインをヤスリで平らにしておきます。
これでガタがかなり減って、直進性の良い走りがGETできます。

ノーマルではタイロッド内側は段付きビスで固定しますが、
これをピロボールに交換するため、サーボホーンの段を落としておきます。
同時にピロボールはSP875 5mmボールコネクターに交換しておきましょう。

入手はちょっと難しいのですがTGX、もしくはTG10用カーボンアッパーデッキに付属する
アルミサーボステーに交換するとサーボをビス4本で固定できるため、クラッシュでズレにくくなります。
しかし、サーボ搭載位置が下がるので、サーボホーンとギヤボックスが干渉します。
サーボホーンをヤスリで加工して当たらないようにします。

2分割構造のサスアームは3X10タッピングビスで固定しますが、
ビスは使わず代りに瞬間接着剤で固定して軽量化します。

サスペンション周りは、サスピンの固定方法に注目。
これはオプションのTL01ステンレスサスシャフトを使った改造法です。
ノーマルではバルクヘッド内と前後ハブキャリアの中でサスピンを動かして、
サスアームでピンを固定しています。
これをまったく反対に、サスアーム内でサスピンが動くように改造します。
まず前後バルクヘッドは瞬間接着剤を軽く流し、サスピンがきつくなるようにします。
前後ハブキャリアはサスピンが通る穴の真下に2.5mmの穴を開け、イモネジが固定できるようにします。
サスアームはφ3.05のストレートリーマーを通してスムーズに作動するようにします。
これでカタカタと軽く動くサスを作りましょう。ガタが少なくなり、路面追従性も向上します。
ただし!渋いのは厳禁です。動きの重いサスはガタガタ足のほうがまだマシです。
とにかく軽く動くことを最優先にしましょう。

車高の高いM03をムリヤリローダウンするとキャンバーが強くついてサスアームの傾く角度も多くなります。
そこでアップライトの上面を削り加工して、同じサスジオメトリーでローダウンします。
まずアップライトの左右を確認して、キングピン周りにある淵をカットします。
そうすると1ミリほどアップライトの下側にクリアランスができるので、
これは4ミリシムでしっかりと調整します。ヨコモ製の黒いシムを使うとノーマルっぽく仕上がります。
バンビに売ってますよ〜(宣伝)

TL01調整式アッパーアームはタミヤGPで使用できるようになりました。
フロントは3X6〜8くらいのホーロービスでアッパーアームを作ると良いでしょう。
どんな車高でもキャンバー角を最適化でき、タイヤ偏磨耗を抑えることができます。

ラバーシールベアリングの脱脂方法ですが、シール部分はカッターの刃先で簡単に外すことができます。
この状態でCRCブレーキクリーンなどを使ってグリスを抜きます。
オイルはベアリング用の軽いものを使いましょう。脱脂後は数パック走ったほうが軽く作動します。

前後バンパーやモノコックを固定するビス関係は
3x10タッピングから3X8タッピングの短いものに交換し軽量化します。
また前後フレームをドッキングする4本のビスは皿ビスで固定します。

ボールデフを使用する場合、スラストベアリングは1150ベアリングで代用します。
ポイントは皿バネ。これは1枚のみとし、かわりにF103用の1150スラストワッシャーを追加します。
これでひっかかりのない、一定の効き具合のデフを作ることが可能です。


リヤのホイールアクスルは精度を向上させるため、
アッセンブリーユニバーサル用のホイルアクスルを流用します。
ノーマルよりも若干ブレが少なく、リヤタイヤのグリップを引き出します。
またアルミ六角ハブを使用して、ナット締め付けによるベアリングの圧迫を防ぎました。
リヤは一般的なアスファルト路面ではトーイン付きを選択。

ユニバーサルシャフトはFFでは作動角がキツく、グリス選びも重要なポイント。
耐久性を重視するならアンチウエアグリスでキマリ。
回転しても飛び散りにくく、ジョイント部の磨耗を抑えます。
駆動効率重視ならセラミックグリスやラジ四駆用チタングリスがお勧め。
薄く塗布することで、ステア時でもロス抵抗を軽減します。

雑誌のほうでは何度も取上げましたが、
リヤサスをフルボトムさせるとアップライトとボディマウントが干渉し、
ストロークが少なくなっています。
ボディマウント下側を斜めにカットしてストロークを確保しましょう。
ハイグリップ路面で転倒しにくくなります。

またリヤフェンダー前側とリヤタイヤが干渉しやすくなっています。
ボディマウントを前側にむりやり曲げて取りつけ位置を移動しましょう。

NEWコンセプトM03ですが、ワタクシも大変気に入りました。
新しいドライビングスタイルもマスターし、
どんな路面でも同じような走りができることを確信しています。
M03ユーザーのみなさんもぜひ一度試してみては??

M03セッテイングデーター
2002.8.18作成
タイヤ 60DファイバーモールドスリックA
インナー 60Dインナースポンジハード
ホイール ミニクーパーホイール
ダンパー 前後TRFテフロンコートダンパー
ピストン 2穴
オイル F#500/R#600
インナーカラー F8.0mm/R8.0mm
スプリング OP440赤・OP163青
デフ TA03ボールデフ+タングステンボール
モーター ジョンソンRS540SHモーター
ピニオンギヤ 20T/F201用ハードコートピニオン
スタビライザー 前後なし
リヤアップライト M03トーイン付きアップライト
使用したオプション

★マークは必須パーツ
★TRFダンパー
★オンロードハードスプリング
★オンロードスプリング
★M03ユニバーサルシャフト
★M03フルベアリング
5mmボールコネクター
3X8チタンタッピングビス
3X8チタン皿ビス
TGX用アルミサーボステー(非買)
★TA03ボールデフ
タングステンデフボール
強化ジョイントカップボールデフ用
5mmアルミピロボール
TL01ステンレスサスシャフト
★M03トーイン付きアップライト
M03カーボン中空ギヤシャフト
アッセンブリーユニバーサルホイルアクスル


作成2002.8.19

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